物流業

なぜ物流の経費削減は進まない?自動化を成功させる3つの鍵

物流 経費削減 自動化について、導入方法から活用事例まで詳しく解説します。

なぜ物流の経費削減は進まない?自動化を成功させる3つの鍵

なぜ物流の経費削減は進まない?自動化を成功させる3つの鍵

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なぜ物流の経費削減は進まない?人手不足と「2024年問題」の現状

多くの企業にとって物流の経費削減は喫緊の課題ですが、その実現は決して容易ではありません。背景には、慢性的な人手不足による人件費の高騰や、不安定な世界情勢に起因する燃料費の上昇といった構造的な問題が存在します。さらに、ドライバーの労働時間に上限が課せられる「物流の2024年問題」が輸送能力の低下に直結し、コスト増加に拍車をかけています。本章では、経費削減が進まない根本原因となっているこれらの課題について、その現状を詳しく解説します。

物流の経費削減を妨げる3つの原因(人手不足、2024年問題、燃料費高騰)を解説するインフォグラフィック

深刻化する人手不足と高騰し続ける人件費

物流業界が抱える最も根深い課題の一つが、深刻化する人手不足です。少子高齢化による生産年齢人口の減少に加え、倉庫内作業や配送といった業務が依然として労働集約型であるため、労働力の確保が年々困難になっています。この状況は、採用競争の激化を招き、人件費を直接的に押し上げる最大の要因です。結果として、物流コストに占める人件費の割合は増加の一途をたどり、多くの企業の収益性を圧迫しています。このように慢性化した物流の人手不足は、企業の自助努力だけでは解決が難しい構造的な問題となっており、経営の根幹を揺るがしかねない状況です。

輸送能力が低下する「物流の2024年問題」とは

人手不足に拍車をかけているのが「物流の2024年問題」です。これは、働き方改革関連法によって2024年4月1日からトラックドライバーの時間外労働に年間960時間の上限が設けられたことに起因します。この規制により、ドライバー1人あたりの走行距離や稼働時間が短縮されるため、企業全体の輸送能力が低下する事態に直面しています。結果として、長距離輸送の中継が必要になったり、これまで通りのスケジュールで荷物が届けられなくなったりする可能性があります。この問題は運賃の上昇を招くだけでなく、ドライバーの収入減によるさらなる離職を加速させる要因ともなっており、早急な物流2024年問題の対策が求められています。

燃料費の高騰が経営を圧迫する構造的な問題

人件費と並び、物流コストを押し上げているのが燃料費の高騰です。原油価格は国際情勢や為替変動の影響を大きく受けるため、企業努力だけではコントロールが難しい構造的な問題を抱えています。特に運送事業者にとっては、コスト増加分を運賃へ即座に転嫁することが難しく、利益を直接圧迫する深刻な要因となっています。

こうした状況を打開するため、AIを活用した対策が注目されています。例えば、リアルタイムの交通情報から最適な配送ルートを算出するAI配車計画や、複数企業の荷物を効率よくマッチングさせる共同輸配送は、トラックの積載率と燃費を向上させます。テクノロジーを駆使した物流費削減のアプローチが、この構造的な課題を乗り越える鍵となりつつあります。

【2026年問題】改正物流効率化法が荷主に求める新たな責任とは

「2024年問題」への対応に追われる中、次に迫るのが「2026年問題」です。これは、改正物流効率化法の施行により、物流効率化の責任がこれまでの運送事業者だけでなく、荷主にも法的に課されるようになることを指します。特定の事業者には、経営層による「物流統括管理者(CLO)」の選任や、国への中長期計画の提出が義務化されるなど、待ったなしの対応が求められます。本章では、荷主が新たに向き合うべき法的責任とその具体的な内容を詳しく解説します。

ドライバーから荷主へ!法改正で問われる新たな責任

「物流の2024年問題」がドライバーの労働時間規制に焦点を当てていたのに対し、改正物流効率化法はその責任の矛先を荷主企業へと向けます。これまで、長時間の荷待ちや非効率な荷役作業といった問題は、その原因が荷主側にあったとしても、主に運送事業者が負担を強いられる構造がありました。しかし今回の法改正により、こうした物流非効率を生み出す原因を作っている荷主側にも、改善に向けた法的な責任が明確に問われることになります。これは、荷主が主体となり物流2024年問題の対策を講じ、サプライチェーン全体を最適化する大きな転換点と言えるでしょう。

物流の2024年問題と2026年問題(改正物流効率化法)における対象者と内容の違いを比較するインフォグラフィック

経営層の責任!物流統括管理者(CLO)の選任義務化

改正物流効率化法の目玉となるのが、一定規模以上の荷主企業に課される物流統括管理者(CLO)の選任義務化です。これは単に担当役員を置くということではなく、物流をコストセンターではなく経営課題として捉え、全社横断で改革を推進する責任者を任命することを意味します。CLOには、経営層の一員としてサプライチェーン全体を俯瞰し、荷待ち時間の削減や積載率向上といった現場の課題解決から、AIやロボット導入といった戦略的な投資判断まで、強いリーダーシップが求められます。CLOの選任は、法改正への形式的な対応に留まらず、持続可能な物流体制を構築するための第一歩であり、抜本的な物流費削減を実現する上で不可欠な要素と言えるでしょう。

物流効率化への中長期計画の策定・報告が必須に

物流統括管理者の選任に加え、改正物流効率化法が一定規模以上の荷主(特定事業者)に課すもう一つの重要な義務が、物流効率化への中長期計画の策定と国への定期的な報告です。具体的には、年間の貨物輸送量が9万トン以上の荷主などが対象となり、具体的な数値目標を盛り込んだ計画の提出が求められます。

この計画には、モーダルシフトや共同配送といった従来の手法だけでなく、AIやロボットを活用した具体的な物流費削減策など、より踏み込んだDX戦略を盛り込むことが不可欠です。単なる報告義務として捉えるのではなく、これを機に全社的な物流改革を加速させる絶好の機会とすることが、企業の競争力を左右する鍵となるでしょう。

経費削減の切り札!AI・ロボティクスが導く物流DXの最新動向

深刻化する人手不足や法改正への対応が迫られる中、経費削減の切り札としてAI・ロボティクスの導入が本格的な実装フェーズへと移行しています。もはや単なる省人化ツールではなく、サプライチェーン全体を最適化する戦略的な一手です。本章では、ピッキング作業を革新する3次元走行ロボットから、AIが最適な配送計画を立案する最新技術まで、物流DXの最前線を具体的に解説します。

AI活用で加速する物流DXの最前線

AIは、単なる作業の自動化ツールを超え、物流における「頭脳」として機能し始めています。実証実験の段階を終え、需要予測や在庫最適化といった高度な意思決定を支援するツールとして本格的な実装が加速。これまで熟練者の経験に頼っていた領域を、データに基づき最適化します。

特に配送計画の領域では、AIがリアルタイムの交通情報や天候までを分析し、最適なルートを自動で算出。これは複雑な物流の巡-回セールスマン問題を解決する強力な一手です。さらに、複数企業の荷物を効率的に組み合わせる「共同輸配送マッチング」や、梱包サイズをAIが推奨し配送料を削減するサービスも登場しており、サプライチェーン全体の物流費削減を力強く後押ししています。

ピッキングを革新する3次元走行ロボット

倉庫内業務のコストの大部分を占め、作業者の大きな負担となっていたのがピッキング作業です。深刻な物流の人手不足が続く中、この工程を革新する技術として3次元走行ロボットが注目を集めています。このロボットは、倉庫内を縦横無尽に走行し、高層ラックの上段にある商品も自律的に取り出すことが可能です。代表例であるExotec社の「Skypod」は、ロボットが商品の棚を作業者の元まで運ぶ「GTP(Goods to Person)」方式を採用。作業者の歩行距離をゼロにすることで、生産性を飛躍的に向上させます。空間を最大限に活用し、従来の課題を根本から覆すソリューションとして導入が加速しています。

サプライチェーン全体を最適化する新技術

倉庫内の自動化だけでなく、物流プロセス全体を俯瞰した最適化技術が実用化されています。例えば、複数企業の荷物や配送ルートをAIが解析し、最適な組み合わせを提案する共同輸配送マッチングサービスは、トラックの積載率を劇的に向上させます。これにより、個社では難しかった物流費削減とCO2排出量の削減を同時に実現可能です。さらに、AIが商品サイズから最適な梱包箱を推奨する「梱包アシストAI」や、複雑な通関業務を自動化する技術も登場。これらの新技術は、企業間の垣根を越え、サプライチェーン全体の最適化を加速させる鍵となります。

【最新事例】倉庫内作業を革新する3次元走行ロボット「Skypod」

物流DXを推進するAI・ロボティクスの中でも、倉庫内作業の常識を覆すソリューションとして注目されているのが、3次元走行ロボット「Skypod」です。ロボットが棚の間を縦横無尽に走行し、高層ラックからも自動で商品を取り出すことで、従来の倉庫保管効率を劇的に向上させます。本章では、作業者の歩行をゼロにする革新的な仕組みと、その導入効果を詳しく解説します。

空間を最大限活用する3次元走行ロボット

3次元走行ロボット「Skypod」の最大の特徴は、その名の通り、倉庫空間を水平・垂直方向に最大限活用できる点にあります。ロボットは床面を走行するだけでなく、専用ラック(棚)を垂直に昇り降りし、最大12メートルの高層空間にある商品コンテナへ直接アクセスします。これにより、従来はデッドスペースとなりがちだった倉庫の上部空間を有効な保管エリアに変え、限られた建屋面積の中で保管能力を飛躍的に向上させることが可能です。倉庫の増床や移転をすることなく保管量を増やせるため、深刻な物流の人手不足を補いながら、地代や建設費といった固定費を抑え、抜本的な物流費削減に貢献します。

歩行ゼロを実現!GTP方式によるピッキング作業

Skypodシステムの核心は、GTP(Goods to Person)方式の採用によるピッキング作業の完全自動化にあります。従来、作業者が広大な倉庫を歩き回って商品を探す「人からモノへ」の方式が主流でした。しかしGTP方式では、ロボットが必要な商品が入ったコンテナを棚から自動で取り出し、作業者が待つピッキングステーションまで自律的に搬送します。

これにより、作業者は定位置から一歩も動くことなく、画面の指示に従ってピッキング作業に専念できるため、文字通り「歩行ゼロ」が実現します。移動という非生産的な時間が完全になくなることで、生産性は飛躍的に向上。同時に、作業者の身体的負担も大幅に軽減されるため、深刻化する物流の人手不足という課題に対し、効率化と労働環境改善の両面からアプローチできる画期的なソリューションです。

従来のピッキング方式(Person to Goods)とGTP方式(Goods to Person)の作業フローと効率の違いを比較するインフォグラフィック

作業者の負担を激減させる自動コンテナ搬送

Skypodシステムがもたらす革新は「歩行ゼロ」に留まりません。ロボットによるコンテナの自動搬送は、ピッキング作業に伴う身体的な負担を劇的に軽減します。従来、作業者は重い商品が入ったコンテナを棚から下ろし、カートへ載せ替えるといった作業を繰り返す必要がありました。Skypodは、ロボットが必要なコンテナを作業者の手元にあるステーションまで直接運ぶため、重量物の取り扱いが実質的になくなります。これにより腰痛といった労働災害のリスクを低減し、労働環境の改善に直結します。多様な人材が安全に働ける環境は、深刻化する物流の人手不足を解消する上でも重要な要素です。

DHLも導入!AI搭載仕分けロボット「DoraSorter」が示す未来

倉庫内作業の自動化はピッキングに留まりません。特に人的ミスが発生しやすく、手間のかかる「仕分け」工程では、AI搭載ロボットが目覚ましい成果を上げています。世界的な物流大手であるDHLが導入した「DoraSorter」は、1時間あたり1,000個以上の貨物をほぼエラーなく処理し、労働効率を最大80%向上させました。本章では、この革新的な事例を深掘りし、仕分け作業の未来を展望します。

AIが実現する高精度・高速な自動仕分け

DHLが導入したAI搭載仕分けロボット「DoraSorter」は、仕分け工程の未来を象徴しています。AIの高度な画像認識技術により、荷物のバーコードや伝票情報を瞬時に読み取り、人間を遥かに超えるスピードと正確性で仕分けを実行します。実際にDoraSorterは、1時間あたり1,000個以上の貨物をほぼエラーなく処理し、労働効率を80%も向上させた実績があります。これは、深刻化する物流の人手不足を補うだけでなく、物量の波動に柔軟に対応できる体制を構築する上で極めて有効です。もはやAIによる自動仕分けは、物流品質とスピードを両立させるための不可欠なテクノロジーと言えるでしょう。

人的ミスをゼロへ導く24時間稼働体制

AI搭載ロボットは、人間が介在することで避けられなかった課題を根本から解決します。人間は長時間作業による疲労で集中力が低下し、誤出荷などのミスを引き起こすリスクが常にありました。しかし、AIロボットは常に一定の精度で作業を続けるため、人的ミスを限りなくゼロに近づけることが可能です。これにより、再配送にかかるコストや顧客からのクレーム対応といった無駄を削減し、本質的な物流費削減に繋がります。

さらに、ロボットは休憩やシフト交代を必要とせず、24時間365日の連続稼働を実現します。夜間や休日も物流センターを止めずに稼働させられるため、深刻化する物流の人手不足を補い、物量の波動にも柔軟に対応できる安定した体制を構築できるのです。

多様な荷物を認識・仕分けする汎用性

DoraSorterの真価は、その驚異的な汎用性にあります。従来の自動仕分け機は、サイズや形状が統一されたダンボール箱の処理は得意でしたが、柔らかいポリ袋や不規則な形状の荷物は認識が難しく、自動化のボトルネックとなっていました。しかし、DoraSorterに搭載されたAIは、高度な画像認識技術によって荷物の材質、形状、ラベルの位置などを瞬時に識別します。これにより、これまで人手に頼らざるを得なかった多種多様な荷物の仕分けが可能になり、特に商品ラインナップが豊富なEC物流のAI自動化において大きな効果を発揮します。この技術革新は、深刻化する物流の人手不足を解消する上で重要な鍵となります。

物流自動化を成功させる3つの鍵|CLOの選任と中長期計画が不可欠

最新のAIロボットを導入するだけでは、物流自動化は成功しません。重要なのは、経営層が主導する全社的な戦略です。特に、2026年から義務化される物流統括管理者(CLO)の選任と、現場の課題を反映した中長期計画の策定は、成功の行方を左右する重要な要素となります。本章では、これらのポイントを含め、自動化プロジェクトを成功に導くための3つの鍵を具体的に解説します。

物流自動化を成功に導く3つの鍵(CLOの選任、中長期計画の策定、KPI設定と効果測定)の関係性を示すインフォグラフィック

全社を統括!CLOが描く自動化の全体像

物流自動化を成功させる最初の鍵は、2026年から選任が義務化される物流統括管理者(CLO)の存在です。CLOは単なる物流部門の責任者ではなく、倉庫、配送、調達、販売といった各部門を横断的に統括し、サプライチェーン全体の最適化を描く司令塔の役割を担います。特定の工程だけを自動化する「部分最適」では、かえって前後の工程にボトルネックを生む危険性があります。CLOは、経営視点からデータに基づいた全体戦略を描き、サイロ化しがちな各部門の連携を促すことで、初めて効果的な自動化と真の物流費削減を実現できるのです。まさに、物流DXとは何かを企業全体で推進する上で不可欠な存在と言えるでしょう。

現場の課題を反映した実現可能な中長期計画

物流自動化を成功させる第二の鍵は、CLOが描いた全体像を具体的な行動計画に落とし込むことです。特に2026年から施行される改正物流効率化法では、特定事業者に対して国への中長期計画の策定・報告が義務化されており、その重要性は増すばかりです。

計画成功の秘訣は、トップダウンの理想だけでなく、現場のリアルな課題を反映させる点にあります。まずは荷待ち時間や非効率な作業動線といったボトルネックをデータで可視化し、「ピッキング作業時間を20%短縮する」のような具体的な目標を設定します。いきなり大規模な投資を行うのではなく、特定部門からスモールスタートで自動化を導入し、効果を測定しながら範囲を拡大していく段階的なアプローチが有効です。深刻化する物流の人手不足といった課題に対応するためにも、現場起点の現実的な計画が求められます。

投資対効果を見極めるためのKPI設定と効果測定

物流自動化を成功させる第三の鍵は、投資対効果(ROI)を客観的なデータで評価する仕組みを構築することです。CLOが描いた計画も、成果が不明確では「絵に描いた餅」に終わってしまいます。そこで不可欠となるのが、KPI(重要業績評価指標)の設定と継続的な効果測定です。

例えば、「ピッキング作業時間を20%短縮」「誤出荷率を0.01%以下にする」「配送コストを15%削減」といった具体的な目標を設定します。自動化システムの導入後はこれらのKPIを定期的に計測し、計画と実績の差異を分析。このPDCAサイクルを回すことで、運用の改善や次なる投資判断の精度を高めることができます。客観的なデータに基づいた評価こそが、物流費削減を持続可能なものにするのです。

導入前に知っておくべき物流自動化の課題とリスク

AIや最新ロボットが描く未来は、確かに魅力的だ。しかし、その輝かしい成功事例の裏には、語られることの少ない数々の失敗が存在する。本章では、高額な初期投資や見えない維持コスト、システムを使いこなせる人材の不足といった、導入後に後悔しないために知っておくべき自動化の不都合な真実を忖度なく解説する。すべての業務が自動化できるわけではないという現実も直視すべきだろう。

高額な初期投資と見えない維持コストの壁

バラ色の未来を約束する営業トークを鵜呑みにしてはいけない。数千万、場合によっては億単位の初期投資に踏み切ったものの、想定外の維持コストに苦しむ企業は後を絶たない。特に、多品種少量で物量が安定しない現場や、季節変動が大きい商材を扱う場合、高価な自動化設備は宝の持ち腐れだ。システムが対応できないイレギュラーな作業に結局は人手が割かれ、費用対効果がマイナスになるケースも珍しくない。最新ロボットありきで考えるのは本末転倒。まずは地味な業務プロセスの見直しや、比較的安価なWMS(倉庫管理システム)の導入で、本当に解決すべき課題を洗い出すべきだろう。

システムを使いこなす専門人材の不足と育成

最新鋭のロボットを導入すれば万事解決、などという幻想は今すぐ捨てるべきだ。自動化に失敗する企業の典型は、高価なシステムを導入したものの、現場が全く使いこなせないパターンである。トラブル発生のたびにメーカーを呼び、生産ラインは停止。これでは経費削減どころか、新たなコストセンターを生み出しているに等しい。真の問題は、単なるオペレーター不足ではない。システムの稼働データを分析し、業務プロセスの改善に繋げられる『デジタル人材』が社内にいないことだ。人材育成という地道な投資を怠り、システム導入に飛びついたところで、それは高価な“置物”と化すだろう。

全ての業務を網羅できない自動化システムの限界

自動化システムを導入すれば全ての業務から解放される、などという幻想は今すぐ捨てるべきだ。最新のAIロボットですら、不定形な商品や壊れやすい商材の扱いは不得意なままだ。結局、複雑な検品や特殊な梱包といった、高度な判断力が求められる業務は人間にしかできず、自動化ラインの横で多くの人員が後処理に追われるのが現実だ。物量が少ない、あるいは季節変動が激しい現場では、投資に見合う効果はまず得られない。高価なロボットを導入する前に、まずは作業動線の見直しといった地道な改善を徹底する方が、よほど賢明な判断と言えるだろう。

まとめ

人手不足や「2024年問題」、そして目前に迫る「2026年問題」など、物流業界を取り巻く環境は厳しさを増しています。本記事で解説したように、こうした課題を乗り越え、持続的な経費削減を実現するためには、AIやロボットを活用した物流自動化が不可欠です。

ただし、最新技術を導入するだけで成功するわけではありません。CLOの選任やリスクを考慮した中長期計画など、戦略的な視点を持つことが成功の鍵となります。まずは自社にどれだけの改善ポテンシャルがあるのか、具体的な数値で把握することから始めてみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人

大須賀彰太

大須賀彰太

東京大学在学中にOwned(株)の経営幹部として、オンライン診療事業の立ち上げを行う。ダイエット領域にてパーソナライズを活用し、1年半でLINE登録者20万人のサービスにグロースさせる。2023年7月同社が株式会社ベクトルにM&Aした際に幹部として同行。大学では、人工衛星データAI解析の研究に従事。AI技術が企業の売上利益に直結する形で正しく活用されていない社会に違和感を感じ、AIコンサル会社を起業。